目の構造やそのメカニズムについて深く学べば学ぶほど、「人の目」って
すごいな!
って、つくづく思います
もし小さいお子さん、に「体のどこで物を見ていますか?」と聞いたらおそらくほとんどの方は「目」と答えるでしょう。
もちろん間違いではありません。
でも実際は、人間は目だけで「見る」ことはできなくて、「目と脳の協働作業」で物を見ている、と言ったらお子さんも興味を持ってくれるかもしれませんねー
「見る」という仕組みにおいて目は、「光のセンサー」や「光の量をコントロールする」役割を担っているわけですが、そのセンサーでも感知できない部分=「盲点」が誰にもある!っていうのが今回のお話です
早速実験ですが、
◆左目をつぶって(閉じて)右目だけで下の「ア」の文字を見てください。その際、「ド」の文字も見えていることを意識します。
(右目をつぶって「ド」の文字を見てもOKです)
◆30cm〜40cmの距離から、ゆっくり近づけたり、遠ざけたりしてみると、それまで見えていた「ド」の文字が見えなくなる(消える)ポイントがありますね
これが「盲点」です。
大事なポイントを見逃していたり、思わぬ落とし穴に遭遇した時に「盲点をつかれた!」などといいますね!
これ、元々は視覚に関する医学用語です。
◆なぜ盲点ではものが見えないか?
盲点は「視神経乳頭」にあります。視神経乳頭とは、網膜上の視神経が1カ所に集まり束になって眼球の壁(強膜)を突き抜けていく所で、眼底の中央やや鼻寄りに位置します。
左目を90°方向から見た図となります。
視神経乳頭には視細胞がないため、光を感知できません。だから脳では見えないと判断されるのです。
発見者の名前にちなみ「マリオット暗点(盲点)」とも言われます。
上の実験では「ド」の位置がマリオット暗点に入ったため見えなくたったわけです。
これは私の左目の実際の眼底写真。
中央に少し黒い部分が見えます。これが黄斑部で、その左側に丸く明るく見えているところがあります。これが、
視神経乳頭=盲点です。
動いているティアちゃんでもう一つ実験
ティアちゃん:アドコンタクトの公式キャラクター
左目を閉じて、右目で止まっている左側のティアちゃんを見て、ゆっくり離したり近づけたりしてみてください。
右側のティアちゃんが消えたり、また現れたりして見えますか
誰にでも必ず、盲点によって見えない部分がある。
といっても私たちは日常生活でそれに気づいたり不便を感じることはありません。
これは、実際は左右の目がお互いの情報を補って、それを脳に伝え、脳が実際は欠落している部分を推測して(ごまかして)埋め合わせを行っているためです。
目と脳には、このように欠落した情報を補完する神経機構がもともと備わっているわけです。
「目と脳の協働作業」
目の仕組みって本当によくできてますよね
それにしてもメガネって、本当にいいもんですねー
新型コロナウィルスの一日も早い終息をお祈りいたします。